【住み良い家】地震に弱い平面プランとは?

f:id:tanuk:20190605081142j:plain

 







仕事柄、軸組設計や構造計算をしていく中で、さまざまなな平面プランに触れてきました。
その中で、デザイン性に特化しすぎて耐震性を考慮していない物件も全体の1割程度存在していました。

今回は、地震に弱い平面プランの特徴を3パターン解説しますので、是非とも頭の片隅に入れておいて、設計士に意見・注文してみてはいかがでしょうか。




はねだし物件


はねだしとは柱の代わりに桁を延長させて荷重を支える構法です。
少しわかりづらいので図で解説します。





f:id:tanuk:20190604175328j:plain

一階平面図です。
赤く囲った箇所は外部ポーチで、柱が一切ありません。





f:id:tanuk:20190604175329j:plain

二階平面図です。
先ほどの赤く囲った箇所の真上に主寝室・クローゼットが配置されています。





f:id:tanuk:20190604175326j:plain

梁成が大きい高強度な梁を4本延長させて、二階の床を支えているのが分かると思います。
この桁をはねだしと呼びます。




地震に弱い理由


ご想像がつくでしょうが、主寝室・クローゼットが床が宙に浮いた状態になっているので大変危険です。
新築でもはねだし付近でジャンプするとトランポリンのように揺れる恐れがあり、構造躯体のウィークポイントとなります。
経年劣化して、はねだした桁が痩せ始めたと同時に大地震が発生すると、半壊する危険性が高まります。




対処法


はねだし付近に物を置かない・飛び跳ねない

ベッドやピアノ、タンスといった重くて滅多に動かさない物は置かずに、荷重を軽減させます。
また、例えば、子ども部屋にすると、ジャンプしたり、はしゃぎ回る恐れがあるので、間仕切りの選定も重要です。



高強度の桁を採用する

米松の集成材であったり、梁成が480mmと大きい材をはねだすことで、床がたわみにくくなります。





はねださない(下に柱を配置)

そもそも論ですが、はねださないのが一番です。笑
一階の床面積を抑えたい場合は、化粧柱を出隅に配置するだけで、梁のたわみや耐震性が大きく改善されます。
多少コストがあがってでも柱を取り入れるべきだと私は思います。




勾配天井


勾配天井とは、屋根の勾配合わせて斜めになっている天井のことです。部屋に解放感を与え、広く見せる効果があります。





f:id:tanuk:20190604175330j:plain

車庫や平屋、一階上部が屋根の場合に採用されます。
また、勾配天井にする為にあえて2階にリビングをもってくる建築士も少なくありません。




地震に弱い理由


ズバリ火打を入れられないからです。
火打とは、梁がより強固になるように、斜めにかけ渡された補強材のことで、地震や台風などの横揺れを防ぐ役割があります。

横揺れが大きいと火打が無い箇所がウィークポイントとなり、勾配天井付近のクロスのが歪んで剥がれやすくなったり、窓の立て付けも悪くなります。



以前にも勾配天井に関する記事を取り上げました。↓↓





f:id:tanuk:20190604175331j:plain

勾配天井にすると、火打が配置できません。





f:id:tanuk:20190604175325j:plain

フラット天井にすることで、小屋裏に火打を設けることができ、耐震性が確保されます。




対処法


化粧火打を検討する

米松や杉などの化粧火打を部屋のアクセントとして取り入れるのもおもしろいかもしれません。

f:id:tanuk:20190504161907j:plain





屋根材に合板を使用する


f:id:tanuk:20190605135537j:plain

合板とは木材を薄く切り取り、その木目が交差するように張り合わせたもで、水平力の変形に効果的です。
屋根を仕上げる際、垂木の上に野地板という建材を敷きます。
この野地板を野地合板に変更することで、屋根構面が確保され、地震力や風圧力を補強してくれます。





f:id:tanuk:20190605081142j:plain

野地合板で家全体を保持してあげましょう。




柱がほとんどない部屋


柱が少ない開放された空間は、その上に組まれた梁の負担を増大させてしまいます。





f:id:tanuk:20190604175327j:plain

リビングや倉庫、店舗はどうしても柱や壁を少なくしがちです。




地震に弱い理由


柱が少ないと『揺れのエネルギー』を下まで伝達できず、梁のみで対応せざるおえなくなり揺れやすくなります。





f:id:tanuk:20190604175324j:plain

梁成だけが大きくなり、値段が高くて地震に弱い家になってしまいます。




対処法

化粧柱を追加する

タモやナラでできた化粧柱を大空間の中央に2本程度追加するだけでも、梁の負担を大幅に軽減できます。
最近では、化粧柱を303ピッチで3〜4本並べる手法が一部で流行しています。





袖壁を設ける

冷蔵庫や本棚の仕切代わりに606程度の袖壁をつくるだけでも、場合によって、それが耐力壁にもなり効果的です。




私たちにできること


設計士と二人三脚で、プランニングする際に……


・はねだしがある→はねだした部屋に重いものを置かない、下に柱の追加を提案する。

・勾配天井にしたい→化粧火打配置を提案する。

・リビングに柱がほとんどない→冷蔵庫や本棚の仕切代わりの袖壁、化粧柱の追加を提案する。



以上をふまえて、デザインと耐震性を両立した家づくりを実施してみてください。


















私のブログを「ちー子」さんが紹介してくれました。ありがとうございます。大変感謝しております。(><)