近年、2階にリビングを設ける家が増えつつあります。
『2階リビング』は、日当たりが良く、プライバシーを確保しやすいので、 家族が自然とリビングに集うといった住環境の良さがあります。
いっぽうで、設備面や家事動線では非効率的という見方もあります。
今回はメリット・デメリットについて、それぞれ解説していきます。
メリット
オシャレなシンプルモダン
さまざまなメリットがありますが、外観をみると、オシャレな家と興味を引く人も多いでしょう。
・「バルコニーが広そう」
・「ファサードがインパクト大」
・「開放感がありそう」
と家の中に入ってみたくなるような魅力を感じます。
「ハンズスタイル株式会社」 works
01 高性能スタイリッシュ | ハンズスタイル株式会社 - HANDS STYLE
日当たりや眺めが良い
2階にリビングを提案するなかで、『日当たりが良い家』を売り文句にしているところが多いです。
本来、プライベートエリアである寝室や個室よりも、パブリックエリアであるリビングのほうが日当たりを重視します。したがって、2階にリビングをもってくる計画は利にかなっています。
さらに、外からの眺めも良好で開放感があるのも魅力的です。視界を遮るものが少ないので、大開口な窓をとって広々とした空間に仕上げられます。
・「大きなバルコニーで夜景を楽しみながらディナー」
・「人目を気にせずにパジャマ姿で朝日を浴びる」
なんて生活も実現できます。
大きなバルコニーがつくれる
庭との関連性はもてませんが、その代わりバルコニーとの相性バツグンです。
・「ビニールプール遊びも着替えがラクチン」
・「バーベキューの臭いも隣家を気にしなくてOK」
といった感じで、色々な楽しみ方ができます。
ガーデニングを育ててもGOODです。
庭が設けられない狭小地に最適
プライバシーを確保できるのも大きなメリットです。
住宅が密集した地域では隣家との距離が近いので、1階にリビングを設けた場合、開口計画が難しく、暗い空間になりがちです。
・「隣の家が近すぎてリビングでリラックスできない。」
・「朝でも照明がかかせない。」
とならないように、周辺環境も事前に把握しておきましょう。
天井を高くとれる
2階の床の材配置を考慮しなくても良いので、天井を高く見せたり(高天井)、屋根の勾配に沿った天井(勾配天井)を大々的につくれます。
天井が高く取れるので、広くオープンな部屋に計画できます。
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勾配天井にすることで、大々的な開口部や、天井と軒裏のデザインを陸続きに合わせられ、スタイリッシュな空間に仕上がります。
耐震性が良い
私の家を参考に解説します。
リビングや水廻りなどのパブリックエリア
寝室や個室などのプライベートエリア
赤い線は壁(建具)を示しています。
少し分かりづらいですが、プライベートエリアの面積は広くなく、部屋を等分するので、パブリックエリアに比べて壁が多いです。
つまり、1階にプライベートエリアを持ってくることで、壁や柱が多い安定した軸組=地震に強い家に設計できるメリットが生まれます。
デメリット
階段の上り下りが増える
住環境が2階メインになるので必然的に階段の上り下りが増えます。
・「買い物帰りの重い荷物を2階まで運ぶのが大変。」
・「大型家具が階段幅より大きくて持って上がれない。」
・「おばあちゃん、おじいちゃんにとっては不親切。」
・「引越しのとき大変そう。」
などといったネガティブな意見も多いでしょう。
介護的な観点からみると、『1階リビング』の方が断然有利で、『2階リビング』をつくる場合は、老後のことも含めた長期的な目で考える必要があります。
庭とのつながりが薄い
・「敷地いっぱいに芝生広場や家庭菜園などをもちたい。」
・「季節の移り変わりを庭とともに楽しみたい。」
といったように、庭を最大限に活用したくても、2階からではアクセスしにくく、買い物のストックを溜める場所も限られます。
したがって、『2階リビング』だと庭を使う機会は次第に薄れていきます。
水廻りが非効率・コストがかかる
2階にユニットバスを設置する場合、2トン程度の荷重に耐えられるよう、補強工事が必要にります。
また、上階の給排水工事は経済的負担が大きく、メンテナンスも容易ではありません。
夏場の冷房効率が悪い
南向きにリビングを設けても、1階と2階では熱気の取り込み方がまるで違います。
・「ペットが脱水症状を起こした」
・「暑くて、個室に避難せざるおえない」
などにならないように、冷房を2台持ちにするなど、暑さ対策を見越しておきましょう。
それぞれの有りたい住環境や立地条件。気候、将来性を想像しながら、
「オシャレな外観で、日当たりが良く、プライベート空間も確保された2階のリビング家」
「経済性や快適性が高い、落ち着いた1階リビングの家」
のどちらが適するか、ぜひ検討してみて下さい。