【地震に強い家】地震の横揺れ対策とは

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木造住宅における地震対策として、『横揺れ』に対する対策と、『縦揺れ』に対する対策があります。筋違や、ダイライトなどの耐震ボードは『縦揺れ』に対する対策になります。

地震や台風などの災害で、建物の横揺れに対する、床や屋根面を、水平構面といいます。
水平構面を多く確保することで、横揺れを軽減することができます。

水平構面を確保するには火打と床合板が深く関係しています。




火打


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概要


火打とは、地震や台風時に発生する横揺れを防止するために設ける斜材で、1階の床に設けるものを火打土台、2階などの床や小屋組に設けるものを火打梁と言います。
構造材なので普段は天井裏に隠れていますが、室内に化粧火打としておしゃれにデザインしている物件も多いです。

火打の樹種は、松や杉、あるいは集成材。材寸は90×90、105×105、120×120が一般的です。
近年では木材火打の代わりに、既製品で高強度、軽量化された鋼製火打を採用しているところが多いです。

株式会社カナイさんの、鋼製火打N-700(N-600)、フリーダム鋼製火打などが挙げられます。↓↓


鋼製火打N-700(N-600)


フリーダム鋼製火打




配置


火打は5平方メートル以内に1本収めるのが理想です。20平方メートルなら4本、40平方メートルなら8本になりますね。


配置する際に、

火打配置方法
・20平方メートル程度の四角形の出隅に配置。
・火打を配置する四角形は桁が途切れていないものにする。
・継手と火打が干渉していないか。

を注意します。

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火打の代わりに床合板を併用することもできます。




床合板


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概要


床合板とは、丸太をカツラ剝きにした薄い板を直交するように貼り合わせたものです。
材寸は最大910×1820または1000×2000の長方形。厚さは24mmまたは28mmがメジャーです。
床の仕上げが若干厚くなりますが、28mmの方が強い剛性があります。




配置


床合板は、土台や桁の上に敷きます。


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床合板を敷いた上に、フローリングやクッションフロアの仕上げ材を施工します。


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配置する際に、

床合板配置方法
・イモ張りより千鳥張りのほうが、水平構面が強い。
・合板の短手方向は土台や桁を、長手方向には根太に釘を打ち付けられるよう配置する。
・釘を150ピッチで留める。

などの注意が必要です。




横揺れに強い家


火打や床合板の配置や施工は、設計士や大工さんの腕によるので、施主が意見するのは難しいかと思います。
それよりも、火打や床合板を多く配置できる、つまり、水平構面を多く確保できるプランを提案することが、『地震に強い家』の近道となるでしょう。
したがって、これから水平構面を確保できるプランをご紹介します。




勾配天井を設けない


勾配天井とは、屋根の勾配合わせて斜めになっている天井のことです。部屋に解放感を与え、広く見せる効果があります。
火打は天井裏に配置するので、勾配天井になっている箇所は火打を配置することができません。
対応としては、下図のように化粧火打を配置することが挙げられます。


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吹抜を設けない


吹抜はフロア全体の水平構面を極端に弱くしてしまいます。
吹抜を設ける場合は、その面積を最小限にとどめておきましょう。




家の形を複雑にしない


中庭をつくるために家のかたちをロの字型にしたり、渡り廊下を設けるためにコの字型に、中二階を設けるためスキップフロアにする場合などは、いくら火打ちを配置しても効果が発揮されないケースがあります。





お気づきかもしれませんが、勾配天井、吹抜、中庭、渡り廊下、スキップフロアなどは、家に個性を与える大切な要素です。

したがって、『地震に強い家』と『個性的でおしゃれな家』は対照的であることを頭に入れておきましょう。




根太工法ではなく剛床工法を採用する


根太工法とは土台や大引の上に、根太を303mmピッチに並べて、12mmの薄い床合板を敷き、その上にフローリングなどの仕上げ材を施工する工法です。
なお、根太工法は、土台に火打(火打土台)が必要になります。


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剛床工法とは土台や大引きの上に、24mmまたは28mmの床合板を敷き、その上にフローリングなどの仕上げ材を施工する工法です。土台に直接床合板を打ち付けるので、水平構面を確保でき、火打土台は必要ありません。


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床合板を直接土台や大引に打ち付けるので、剛床工法の方が水平構面が強いです。
根太工法の方が、コスト面での削減が可能ですが、施工性が悪いと床なりの原因になるので、近年は、剛床工法を取り入れているところがほとんどです。




まとめ


『横揺れに強い家にするために』
・勾配天井を設ける場合は化粧火打を検討する。
・吹抜の面積を最小限にとどめる。
・中庭やスキップフロアは極力設けず建物のかたちは極力シンプルに。
・根太工法でなく剛床工法を採用する。