【図面作成】伏図の描き方

f:id:tanuk:20190413232441j:plain

 





伏図を見ることで構造が把握でき、どの床がたわみやすいか、柱の配置は適切か、地震に強い家になっているかなどが確認できます。また、大工さんの柱や梁の軸組みを建てるときの設計図でもあります。
簡単に木造軸組の部材名称をご説明します。下図を参考にしてください。

f:id:tanuk:20190413232532j:plain

『1階』
・土台→軸組の最下部にあって、柱を受ける
・大引→軸組の最下部にあって、床を支える

『2階』
・梁→床や屋根などの荷重を柱に伝える材
・柱→材を垂直に立てて建物を支える

『小屋』
・束→屋根を支えるための小屋梁に用いる短い柱




土台を組む

実際に平面図と土台伏図を比較しながら解説します。

f:id:tanuk:20190413232445j:plain

f:id:tanuk:20190413232511j:plain


①.外周部に土台を組む
まずは、外周部をぐるっと囲むように土台を配置してみましょう。

②.部屋の間仕切に土台を配置
ポイントでは平面図を見たときに一番壁が多いラインをみつけて、半分に切るようにズバンと一本通してみることです。そして途中で途切れないように、間仕切に沿って土台を配置しましょう。

③.大引きを組む
間仕切り全てに土台を配置したら、縦か横、材本数が少ない方向を決めて910ピッチ大引を並べます。私の自宅の場合は大引を横方向しています。したがって、横方向全てに土台または大引が存在していることがわかります。(玄関、勝手口、ユニットバスを除く。)




2階を組む

f:id:tanuk:20190413232512j:plain

凡例:□2階柱 〇束 ×1階柱  /火打 梁近辺の数字は梁成(記載がない梁は105×105)

①.1階の間仕切を組む
土台と同じ感覚で、まずは外周部に梁を配置して、一番壁が多いラインをみつけ、1本通します。そして、1階の間仕切にそって梁を配置します。ポイントは、1階の柱が多いラインを意識する。そして、今の段階で2階の間仕切りは考えないことが重要です。
そうでないと、荷重が1階の柱まで伝達されず、梁成が大きくなり、コストが高くても地震に弱い家になってしまいます。

②.2階の間仕切を組む
1階が配置できたら2階の間仕切を組みましょう。考え方は1階と逆で、梁を通すときに、2階の柱が多いラインを選ばないのが重要です。そうでないと、2階の梁成が大きくなり、床のたわみの原因になります。

③.残りの桁を並べる
大引きと同様に、縦か横、材本数が少ない方向を決めて910ピッチに梁を並べます。私の自宅の場合は縦方向にしていますね。したがって、縦方向全てに梁が存在していることがわかります。(1階の屋根部分、階段を除く。)

④.火打を配置
火打は、地震の横揺れを防止するための斜材です。1階の屋根がかかる箇所に配置します。方法は4マス(3640×3640)に対して出隅四か所配置します。火打を入れる桁は、中途半端に途切れておらず、長く通しているものを選びましょう。

梁成に関しては計算が複雑なので、後々のブログでご紹介します。





小屋を組む

f:id:tanuk:20190413232513j:plain

凡例:×2階柱 /火打 梁近辺の数字は梁成(記載がない梁は105×105)

①.梁を組む
土台や2階と同様に、まずは外周部に梁を配置して、一番壁が多いラインをみつけ、1本通します。そして、2階の間仕切にそって梁を配置します。

②.束を配置
母屋は屋根が上がっていく水平方向に910ピッチで並べます。なので、母屋の位置をイメージして束を配置してみましょう。配置間隔は上図のように縦方向(母屋を並べるライン)は910ピッチに。横方向(1本の母屋を支えるライン)は1820ピッチに束を置きます。必要に応じて束を受ける小屋梁も追加します。

③.火打を配置
方法は2階と同様に4マス(3640×3640)に対して出隅四か所配置し、中途半端に途切れておらず、長く通している桁を選びましょう。



母屋を組む

比較的簡単です。先ほど説明しましたが、母屋は屋根が上がっていく水平方向に910ピッチで並べます。下に束が配置されているのか注意してください。(束の配置は漏れやすいです。)

2階母屋
f:id:tanuk:20190413232514j:plain

1階母屋
f:id:tanuk:20190413232515j:plain



説明だけでは難しそうですが描いてみると意外に簡単です。パズルが得意な人はスムーズに組めると思います。今回はJWではなく私の仕事で使用している、トーアエンジニアリングのCADソフトで作成してみました。トーアエンジニアリングのCADソフトは伏図を作成すると3Dで反映されます。

f:id:tanuk:20190413232455j:plain

f:id:tanuk:20190413232454j:plain




 

まとめ

・軸組は主に、柱、束、土台、大引、梁、母屋から成り立つ

・土台→2階の梁→小屋→母屋の順番で組む

・土台、小屋は外周部に梁を配置して、一番壁が多いラインをみつけて1本通し、間仕切にそって梁を配置するイメージ

・火打は、4マス(3640×3640)に対して出隅四か所配置する。中途半端に途切れておらず、長く通している桁を選ぶ



私の専門職でもあるので、自宅の伏図は私が作成させていただきました。
そのものの基盤である軸組がしっかり組めていないと、耐震装置や耐力壁といった良い商品を取り入れても効果が薄いです。なので、工務店が描いた伏図を意見できるように、最低限の知識は身につけておきたいですね。
伏図は他にも、継手、根太、床合板、垂木、間柱を配置する、大工さんが組みやすいように設計するなど、ルールが多くて複雑です。今回は大まかな骨組の組み立て方を解説しましたが、今後のブログで深掘りできればと思っています。